こんにちは、吉岡てんぱです。
先日「【カラーダメージ】美容院とセルフカラーの違いってそんなにあるの?」でセルフカラーのダメージが大きい理由がカラー剤の性質にあることをお話ししました。
それでも、時間や費用のことを考えると、セルフカラーも選択肢のひとつという結論を出したのですが、今回お伝えしたいのは

というお話です。
というのも、セルフカラーに使用する市販のカラー剤で今人気があるのは【泡カラータイプ】なんですよね。
カラー剤が泡状なので、ムラなく染めやすいというメリットがあります。
しかし考えてみてください。
どうして本来クリーム状であるべきカラー剤が泡立っているのか…
それは本来不要な成分”界面活性剤”が使われているからです。
そこで今回は
- 泡カラー剤のダメージ・危険性について
- 泡カラー剤のダメージを最小限に抑える方法
についてまとめました。
お気に入りのカラーになっても、髪の毛がパサパサしていては気分も落ちてしまいます。
これから泡カラーを使ってセルフカラーに挑戦しようと思っている方、ぜひ参考にしてくださいね。
界面活性剤大量含有の泡カラーはメリット<ダメージ
市販されている泡カラーは
- いかに素人でもきれいにカラー剤を塗れるか
- いかにコストを抑えるか
に特化して開発された、便利な商品です。
通常美容院ではカラー剤を1剤:2剤=1:1で使用し、量はショートヘアで1剤・2剤それぞれ50gずつくらい。
毛量が多いロングヘアなら100g使うこともあります。
一方、市販のカラー剤は1剤:2剤=1:2くらいなことが多く、量は1剤40g前後+2剤80g前後。
ミディアム以上の長さがあると足りない量なのですが、それでもしっかり染まるように…と開発されたのが泡カラーだったりします。
泡カラーに含まれる界面活性剤はダメージ原因を”浸透”させる
美容院で使用するカラー剤はクリーム状。
そのカラー剤を泡立てるために、カラー剤に本来不要な界面活性剤を使用しています。
界面活性剤の主な性質
- 汚れを落とす(洗浄)
- 混ざり合わないものを混ざった状態に保つ(乳化・分散)
- なじみやすくする(浸透感)
問題なのは、界面活性剤の”なじみやすくする”性質。
ご存じの通り、ヘアカラーは美容院でやろうがセルフでやろうが大なり小なり髪の毛や頭皮にダメージを与えます。
そんな中、泡カラーは界面活性剤を使用することで、色味だけでなくトラブル・ダメージの元となる成分(ジアミン・アルカリ剤など)の浸透力までアップさせるため、さまざまな毛髪・肌トラブルが起きがち。
「色が浸透するならよくない?」と思うかもしれませんが、髪の毛のダメージが増せばキューティクルは開きっぱなしに。

30代以降に多いジアミンアレルギーの発症を早める可能性大
ヘアカラーは毛髪だけでなく頭皮にもダメージを与えます。
特に注意したいのが「ジアミン」によるアレルギー。
ジアミンは多くのカラー剤に含まれる成分で
- かゆみ
- 発疹
- 水ぶくれ
- 顔・首・目の腫れ
- 粘膜部分の痛み
- 食欲不振
- 抜け毛(大量)
を引き起こし、EUの中には使用を禁止する地域があるくらい毒性が高い成分でもあります。
はじめてカラー剤を使用した日からアレルゲンの蓄積がスタート→許容量を超えて発症するため、ジアミンアレルギーは30代~60代の女性の発症率が高いです(発症率25%前後)。
※参考:ACSEINE『ジアミンアレルギーってなに?ジアミンアレルギーになったらどうすればいいの』
市販の泡カラーはこの、アレルゲンの浸透力もアップさせてしまうため、ジアミンアレルギーを発症する時期を早め、さらに発症の可能性を高める可能性大。
特に敏感肌の方や環境変化等による肌トラブルが起きている方は要注意です。
ちなみにジアミンアレルギーと皮膚科で診断された場合は、発症以降ジアミンを使用したカラー剤の使用はできません。
美容院ならジアミン不要のカラー剤も用意されていますが、セルフカラージアミンアレルギーの元となる
- パラフェニレンジアミン
- トルエン-2,5ジアミン
- パラアミノフェノール
等が含まれているものが多いので、最悪の事態を防ぐためにもセルフカラーは控えておくのが賢明です。
ピリピリ痛む…アルカリアレルギーに注意
アルカリアレルギーはカラー剤を塗って間もなく頭皮に痛みを感じるタイプのアレルギー。
原因となるのはキューティクルを開くために配合される
- アンモニア
- モノエタノールアミン
といったアルカリ剤で、ジアミンアレルギーより症状は軽いものの
- しみるような痛み
- 肌荒れ
- かさぶたのようなフケが出る
が比較的早く表れます。
アルカリアレルギーは肌にアルカリ剤がつかないよう保護すれば対処できる可能性大。
しかしクリームカラーと異なり泡カラーはモコモコとカラー剤が広がり、最終的にへたるため頭皮を守るのが至難の業です。
アルカリアレルギーを発症したことがある方もジアミンアレルギー同様美容院でのカラーがおすすめです。
しかし、セルフカラーをせざるを得ない場合は頭皮にカラー剤がつきにくいクリームカラーを使用するのが賢明。

アルカリ剤の浸透力がアップすると色落ちが加速
カラー剤に含まれるアルカリ剤(アンモニア・モノエタノールアミン)は、毛髪表面のキューティクルを開き、カラーが入りやすい状態を作ります。
美容院でのカラー剤は、揮発性の高いアンモニアの使用率が高く、しっかり乳化し洗い流すことでアルカリ剤の残留を限りなく減らすことが可能。
カラー後はキューティクルが閉じ、手触りがよくなる上カラーも長持ちします。
一方市販のカラー剤は匂いを抑えるために、揮発性が弱いモノエタノールアミンをアルカリ剤として含有。
モノエタノールアミンは1週間近く毛髪に留まることがあり、その間キューティクルは開きっぱなしな状態でカラー剤が抜けやすい状態が続きます。
さらに泡カラーとなると、モノエタノールアミンの浸透を促しキューティクルがより開き続けやすい環境に…。
その結果、染めた直後はカラーの発色がよくても数日で色味が変わってしまう可能性があり、髪の毛のパサつきが際立つ可能性が高いです。

泡カラーのダメージを最小限に抑える3つのテクニック
界面活性剤によるダメージが気になるものの、毛量が多かったり髪の毛が長かったり…セルフできれいに染めやすいのはやっぱり泡カラー。
ダメージを気にしてクリームタイプのヘアカラーを使ったところで、きれいに染まらなくてやり直しとなればさらにダメージが蓄積されます。
そんなときは、泡カラーのダメージを最小限に抑えながら使用するのが賢明。
そのコツをご紹介します。
パッチテストを必ず行う
市販のヘアカラー剤には必ずパッチテストを行うよう注意書きがあります。
しかし実際にパッチテストを行っている人は少数。
ジアミンアレルギーのように徐々に発症率が高まるアレルギーもあるので、面倒でも必ずパッチテストを行いましょう。
また、パッチテストで異常があった場合は、カラー剤がもったいなくてもカラーは諦め、皮膚科に相談するのがおすすめ。

放置時間は”絶対”守る
美容院ではカラーの入り具合で放置時間を調整することがあります。
しかしセルフカラーでの時間調整は厳禁。
特に泡カラーは放置すれば放置するほど毛髪・肌へのダメージが大きくなりやすいので、必ずパッケージに記載されている放置時間を守りましょう。
泡カラーの放置時間を無視したことで、髪の毛がチリチリになってしまったという体験談もよく耳にします。
髪の毛が縮れてしまうと、元のまっすぐな髪に戻すことはほぼ不可能なので、
- タイマーをセット
- 時間になったらすぐ流せるよう準備
をしておくことが大切です。
保護クリームを使用する
頭皮トラブルの心配がない場合は、おでこやうなじなど顔・首周りだけ保湿クリームを塗っておけばよいのですが、泡カラーを使う場合はできれば専用の保護クリームを使いたいもの。
専用の保護クリームなら髪の毛についても髪の染まりを邪魔しないので安心です。
おすすめなのは、DEMI(デミ)のプロテクトクリーム。
画像出典元:Amazon
170g入りで1,500円前後で購入でき、やわらかく塗りやすい保護クリームなので、カラー初心者にもおすすめです。
腕や首にカラー剤がつくと落ちにくいですが、プロテクトクリームを塗っておけば拭き取るだけできれいになる点もポイント高め。
容量が多いので、汚れたくないる部分にも塗っておくと安心です。

【まとめ】泡カラーを使うなら下準備はしっかりと!
まず言っておきたいのは、セルフカラーをするならクリームタイプのヘアカラー剤がおすすめということ。
しかし最近は本当に泡カラーが増えて、1度使うとクリームタイプには戻れないというくらい使い心地はよいです。
泡カラーを使用する際は、
- 保護クリームを塗る
- 放置時間を必ず守る
- 頭皮の異常を感じたら皮膚科に相談
- アレルギーを発症したらセルフカラーを控える
といった点に注意しましょう。
アレルギーを発症していないなら、とても便利な商品です。
いろいろ下準備をするのは面倒かもしれませんが、準備を怠った場合、翌日髪の毛がパサパサ・抜け毛だらけ・フケだらけ・1週間で色が抜けた…なんてこともあり得るので、未来の自分のために少しがんばって準備してみてくださいね。